TOP > 相続問題の基礎知識 > マンションの相続について
マンションのような不動産は、持ち歩いたり、
名前を書いたりすることはできないのが特徴で、
所有権や抵当権など、権利義務については登記をしなければいけません。
相続による所有権の移転登記をしなくても、そのまま住み続けることはできますが、
将来、売却したり、抵当権を設定するなど資産として利用するには、
登記による正当な所有者と証明する必要があります。
相続にあたっては、相続人全員の協議分割書などで正当に承継する人を指定しなければ、
所有権の移転手続きはできません。
相続人の誰かが死亡すると、代襲相続といって、
その人の妻や子の承諾を受ける必要が生じて、
ますますハードルが高くなってしまいます。
財産の分配については、問題を先送りにせずに、
故人を哀悼する気持ちが全員にあるうちのほうが、
私欲だけでなく故人の気持ちを慮って協議ができることが多いものです。
時にはそうはいかずに、協議がまとまらないこともありますが、
できるときにしておくことが大切です。
マンションと一戸建ての違いは、その建物の外観的な特徴だけではありません。
マンションの場合は、エントランスや廊下、建物の躯体などは、
所有者全員が共有していて、管理組合のメンバーとして議事に加わり、
またメンテナンス費用についても分担する義務があります。
そのため、オーナーは毎月管理費と、
将来の修繕工事のための修繕積立金を支払わなければなりません。
管理費と修繕積立金は、
多くの場合毎月定額(修繕積立金は年1回などという組合もある)なため、
オーナーの預金口座からの自動引き落としになっているのが一般的です。
オーナーが死亡すると、銀行に連絡した時点で預金口座は凍結され、
入出金ができなくなりますし、凍結されなくてもいずれその口座は使われなくなります。
相続して所有者になったら、管理組合に所有者の変更を連絡するとともに、
管理費や修繕積立金の引き落とし口座を自分のものに変更する連絡を、
忘れずにしておきましょう。