TOP > 相続問題の基礎知識 > 相続税の申告には期限がある
故人の財産を引き継ぐ場合は、基礎控除額が重要になります。
基礎控除額を超えない場合は何らの手続きもしなくてよいことになっているので、
まずは基礎控除額との関係を把握することです。
税法の改正によって、基礎控除額は基本が3000万円、
相続者一人につき600万円となりましたので、その範囲内かどうかを確認します。
遺された現金はもちろん、銀行の普通預金や定期貯金も対象です。
株券や投資信託、金やダイヤモンドも然りです。
ここまでは、額面や鑑定金額などで掴みやすいのですが、
土地や家屋は評価方法が固定資産税の徴収に記載されているものと異なるので注意します。
特に土地は路線価で算出するので、確認が必要です。
また、土地の形状で評価が割り引きされる制度があることにも注意です。
このあたりを、税務署のガイダンスのしおりで確認し、
基礎控除額に達しなければ何もしなくて大丈夫です。
ただし、計算したものは手元に保管しておき、
税務署からの問い合わせなどがあったときに説明できるようにしておくことは大切です。
特段の問題がなければ、念のための問い合わせだけで終了します。
もし基礎控除額をオーバーした場合は、相続税申告が必要です。
相続税申告は、被相続人が死亡したことを知った翌日から10か月以内に行う必要があります。
この期限が土・日曜日、祝日のときは翌日が期限になります。
期限までに申告しなかった場合や、実際の取得財産の額よりも少ない額を申告したことが判明すると、
追加で税金を徴収されるだけでなく、加算税や延滞税を取られることになります。
ですから、期限を守ることと、財産総額については漏れがないように確認することが大切です。
少しでも心配がある場合は、葬儀や四十九日法要などが一段落して
気持ちの余裕ができたら、税務署に出向き、指導を受けると良いでしょう。
税務署では、土地や家など不動産の評価の仕方や、
その他の財産評価の仕方などを丁寧に教えてくれるだけでなく、
注意すべき財産に関する確認の仕方などについてもアドバイスが受けられます。
税務署にはガイダンスの用意もありますが、
できれば一度窓口で相談し、指導を受けておく方が安心でしょう。