TOP > 相続問題の基礎知識 > 遺産相続の分割協議について

遺産相続の分割協議について

遺産分割協議は代理人でも可

遺産相続が開始され、相続人が複数いる時は、
分割協議にて取り分についての話し合いをします。
一人でも欠けると分割協議が行われたとはみなされず、遺産を分けることはできません。
箪笥預金されている現金だけであれば、事実上分けてしまうことはできますが、
そのようなケースは稀です。
銀行に預金されていたり、株式や不動産があったりするものです。
遺言状がない場合、相続人全員による遺産分割協議を行う必要があり、
全員の実印が押された協議書がなければ、
不動産の登記を変えることも、預金を引き出すこともできません。
全員で協議しなければ、遺産相続は宙に浮いた状態となり、
相続人全員が遺産を手に入れることができない、ということになります。
しかし世の中には家族でも仲が悪い人がいて、
どうしても同じ場所で話し合いをすることを拒む人もいます。
そんな時は、委任状を出すことで他の人に代わりに、
遺産相続の分割協議に出席してもらうことができます。
手続きは簡単ですが、出席するつもりがないのなら、
代理人の目星くらいはつけておいたほうが良いでしょう。

代理人には委任状を

分割協議への出席を代理人に頼む場合は、
直筆の署名と実印による捺印、印鑑証明書を添付した委任状が必要です。
代理人は必ずしも弁護士でなければならないというわけではありませんが、
遺産相続に関係のない第三者に依頼するのがベターです。
例えば相続人が三人であり、そのうちの一人が代理人を立てる場合、
残りの二人のうちの一人に委任状を託すのは、紛争が拡大する原因になりかねません。
事実上二対一になりますので、残った一人は面白くないでしょう。
また代理人を立てた場合、後から協議内容に文句を言うことはできませんので、
利害関係がある人への依頼は避けるべきです。
弁護士に依頼する場合、委任契約の手続き等も必要になりますので、
少し時間がかかります。
事前に依頼する弁護士へ相談しておくと安心です。
一任することにはなりますが、どの遺産が欲しいのか、
といった希望も伝えておくようにしましょう。
しかし遺産相続は一生にそう何度もあることではありませんので、
できるだけ出席するようにしましょう。

 

Back to Top