TOP > 相続問題の基礎知識 > 宗教法人の財産の相続について
宗教法人による財産の相続について、トラブルになるケースもあります。
住職をしていた叔母が、病気で亡くなったパターンで見ていきましょう。
一人で生活をしているのであれば、本人が入院している間に、
お寺には誰もいなくなります。
その寺に通帳を保管するのは、物騒に感じるものです。
その通帳を本寺へ預かってもらうのは、気持ち的にも安心感があるでしょう。
しかし病気で亡くなったあと、預けていた通帳は名義が宗教法人となっていた場合、
問題が起きてきます。
本寺に置いておけば、それは宗教法人による財産の権利がある、
と主張されることも考えられます。
叔母の名義であったのを、預けていた間に宗教法人名義に勝手に変えた疑いがあれば、
話は穏やかではありません。
本寺の住職の代表が弟になった場合、どうなるのでしょう。
病気入院していたあいだに、
本寺へ預けていた通帳からお金が引き出されていた事実を知れば、
それこそ穏やかな話ではなくなるはずです。
通帳の名義変更がいつされたのかはわからないまでも、
作成した名義と、通帳にあるお金がいったい誰のものかは、
その事情によって決定されます。
それが全て叔母の名義であった場合、叔母名義であったときの、
預金開設申込書や取引履歴の証拠を用意します。
もし名義変更があったとしたら、名義変更した解約書類や関連書類を用意しましょう。
銀行に相続人として、それらを開示してもらうことです。
それらの証拠を集めたら、弁護士に資料を見せながら相談をしていくことです。
宗教法人名義であったも、実際のお金は叔母名義であり、
だれも通帳のある場所を知らなかったなど、事実は明確にしておくことです。
お世話してくれていた人からの話でも、全てが叔母のお金という証言があれば、
それは信ぴょう性が高いものとなっていきます。
宗教法人名義でも、それらに関わるサインや届け出が叔母の名前かどうかも重要です。
そういった事情であれば、名義変更した場合は無効になるでしょう。
また、宗教法人に対して預金相当額の返還を求めることもできるでしょう。