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相続税の基礎控除縮小の概要

相続税基礎控除縮小の具体的な変更点と金額

相続税の基礎控除は、平成26年12月31日までの相続であれば、
5,000万円に加えて遺産を受け取る人数に1,000万円を掛けあわせた合計金額が
基礎控除となっていました。
しかし、平成27年1月1日からは、3,000万円に加えて
受け取る人数に600万円を掛けあわせた合計金額になりました。
つまり、受け取る人数が3人とすれば、改正の前後では合計3,200万円もの差が出るのです。
これまでは遺産を受け取る人が多ければ多いほど、控除の額は増していったので、
大都市に住宅を構えていたり、広い土地を保有していたとしても
納税する必要がないケースもあったのですが、
今後は郊外の住宅であっても評価額が3,000万円を超えると、
受け取る人数次第では納税する義務が生じます。
さらに税率もアップし、金額が2億円を超えると税率が40%から45%へ引き上げられ、
6億円を超えると55%という高い税率が適用されることになりました。
このため、自宅や土地を売却せざるを得ない人が増えてくる可能性が否めません。

基礎控除縮小への対抗策

基礎控除額の縮小への対抗策として挙げられるのは、
一時払い終身保険を利用する方法や、遺言代用信託を契約しておく方法、
そして教育資金の一括贈与などの方法があります。
まず、一時払い終身保険に加入しておくと、
遺産とは別に家族へお金を遺すことが可能となります。
本来であれば相続した土地や建物を売却して、遺産を分割したり納税するのですが、
それでは家族との思い出である自宅を失うことになるので、保険でカバーするのです。
具体的には、兄弟へ遺産を遺す場合、兄に自宅を渡し、
弟には保険金で支払われる現金を渡すようにするのです。
また、遺言代用信託を契約しておき、銀行口座が凍結されることなく
すぐに現金を引き出せるようにしておきます。
教育資金の一括贈与とは、教育を目的にお金を使う前提で
相続税が一定額まで非課税となるものです。
ただし、今後も法改正などによりルールは変更される可能性があるため、
状況に応じて対応策を変えていかなければなりません。

 

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