自分の子どもたちとは別に、亡くなるまでの間にお世話になった人に対して、
感謝の気持ちを伝えるために自分の財産を譲りたいと思う人は少なくありません。
また時には、子供を含めた親族とは仲たがいしているために、
何も財産を残したくないという場合もあります。
こうしたさまざまな思いを形にするために、遺言書を作成し、
本来の相続人以外に財産を譲り渡す旨を書面に残される人もいます。
亡くなった人の遺産などの分配に関する意志が記載されたものが遺言状ですが、
その作成方法や書式に何の問題がない場合でも、
亡くなった方の意思通りには、遺産等の分配が行われない場合もあります。
相続人となる親族には、それぞれ「法定相続分」が定められています。
これは民法に取り決めがあるもので、
遺言書に別の分配方法についての記載があったとしても、
遺産を譲り受ける権利のある親族に対しては、
法律で定められている最低限度の遺産を得る権利があるというものです。
そのため遺言書に「すべての財産を寄付する」等の記載があったとしても、
民法に定めのある法定相続分だけは財産を得ることができる権利があります。
多くの人にとって、こうしたことは日常の出来事ではなく、
一生のうちに数回経験するかどうかという出来事です。
そのためその当事者になってみると、
わからないことや心配なことがあって当然と言えます。
弁護士は法律の専門家であるというだけでなく、
こうした遺言や遺産などの分配についての経験も豊富なため、
どうすれば有利な解決方法を見つけることができるかという、
アドバイスをすることができます。
法律的な知識のない当事者同士で話し合いを続けていても、
解決の糸口が見つからないばかりか、時間だけを浪費してしまうことになりかねません。
また法律的な手続きの中には、期限が決められているものもあります。
そのためいたずらに時間ばかりが経過してしまい、
有利な対処法を取れなくなってしまっては大変です。
そのため親族が亡くなった場合は、できるだけ早く信頼できる弁護士に相談することが、
遺産問題をスムーズに解決するために必要なことだと言えます。