夫婦のいずれかが亡くなった際、残された配偶者が困窮することがないよう、
税法上では配慮が行われています。
それは、一般的な場合と比較して税金が安くなる「配偶者控除」と呼ばれる制度です。
これは夫婦の財産が、双方の協力の下にできあがったものであることが前提になっています。
そのため、その財産を受け継ぐ際にかかる税金は、
特別に安い額が設定されているのです。
こうした控除を受ける場合は、決められた申告期限までに分配を受ける額を決め、
申告書を提出することが必要です。
こうした手続きを行わなければ控除を受けることはできませんが、
分配を受ける額が決まっていなくても控除を受けられる救済措置も用意されています。
亡くなった人の財産を受け継ぐ場合は、実際に手にした遺産額が
法定相続分以内なら税金はかかりませんが、
その額を超えていても1億6,000万円までは税金がかかりません。
夫婦のいずれかが亡くなった場合に、相続人の税額が軽減されるのは、
遺産分割や遺贈によって実際に取得した額が
あらかじめ定められた基準額に達するまでは、税金がかからないというものです。
その金額は、配偶者の法定相続分に相当する額、または1億6000万円のうち
いずれか高い方の額になります。
実際に税額上の優遇措置を受けるためには、
税額軽減の明細を記載した相続税の申告書または更正の請求書に、
戸籍謄本と遺言書の写しや遺産分割協議書の写しなどを添えて、
取得した財産の内容がわかる書類といっしょに提出しなければなりません。
こうした税率を緩和する手続きは、
残された妻や夫が生活に困らないように配慮されたものです。
この制度は、配偶者が亡くなっても今まで通りの生活に近い状態が維持できるよう、
法的な見地からの配慮のもとに作られたものです。
この手続きにも期限がありますので、
不明な点がある場合は、法律の専門家に相談の上で
期限内に手続きを行うようにしてください。