相続税と贈与税について

相続税と贈与税の基本

故人から財産を相続した場合に相続した人が財産の価値に応じて納める税金が相続税、生存している人が他人に財産を贈った場合に贈った財産の価値に応じて収める税金が贈与税です。

相続税と贈与税を比べたときに、みなさんの生活において身近に感じるのはおそらく相続税でしょう。
親が亡くなって実家の土地建物や預貯金などの財産を相続することになったなどという話は、誰にでも訪れるできごとです。
それゆえに、多くの人が「遠くない将来に、莫大な相続税が課せられる」「せっかく財産を相続しても、大部分が相続税の支払いで消えてしまう」と不安に感じていることでしょう。
ところが、意外なことに相続が発生して相続税を納税した人の割合は約4%程度だという統計結果があります。
2015年に相続税の基礎控除額が削減されて約10%の人が相続税の対象になったといわれていますが、増税の影響で相続税の納税義務が新たに発生したのは地価が高い都市部の物件を持つ人が多いのが実情です。

同じ財産を譲るなら相続と贈与、どちらが節税効果が高い?

財産を持っている身にしても、財産の譲渡を受ける予定の身にしても、考えるのは「同じ財産を譲渡する場合、相続と贈与はどちらが税金が安く済むのか?」ということでしょう。

相続税には『基礎控除』というものが存在します。
基礎控除額の計算は「3,000万円+(600万円×法定相続人数)」で、つまりこの範囲内の財産は相続税が課税されないことになります。
相続人が1人の場合は3,600万円までは相続税がかかりません。
一方、3,600万円の財産を一括で直系尊属に贈与した場合は控除額265万円・税率45%となり、約1,500万円の贈与税が課せられることになります。
非常に単純な例示ですが、一括で大きな財産が移動する場合は相続のほうが節税効果が高いといえます。

ただし、一方的に贈与が不利ともいえません。
贈与には1年1人あたり110万円の暦年控除があるので、暦年控除を繰り返せば年間110万円、10年間繰り返せば1,100万円が非課税になります。
定期的に暦年贈与を繰り返す契約をしてしまうと『連年贈与』とみなされて一括で贈与税が課税されてしまうことがあるので、暦年贈与を活用する場合は毎年贈与契約をおこなう必要があることを覚えておきましょう。

 

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