赤の他人と不動産の売買や賃貸契約を結ぶときには、
しっかりした専門家や仲介業者を間に挟むのが普通ですし、
当事者同士もある程度は警戒して望むでしょうから、
かえってトラブルが発生しにくく、
発生しても解決方法がはっきりしていることは多いと言えます。
それに対して親族間では、
きちんと契約を交わさずに不動産を貸したり借りたりすることがあります。
このような状態を続けていると、
やがて賃料が滞納されたり勝手に又貸しされたりするなど、
当初は予想できなかった問題が起きる可能性があります。
こうなると契約書がないだけに始末が悪く、強い手段を取ることができません。
また相手が親族なので縁を切るわけにも行かず、
トラブルが長引いたり感情的にこじれたりする危険もあります。
こういった場合には弁護士を利用するのもひとつの手です。
いきなり訴えるのではなく、話し合いの場に弁護士を同席させて、
問題解決のサポートをしてもらうという方法です。
弁護士は話し合いの席に立ち会って、公正な第三者として振舞いますが、
必ずしも両者へ対等に接するわけではありません。
依頼主の主張が法的に妥当であること、
もし裁判をすれば依頼主が勝つことなどを説明し、
依頼主に有利な条件で和解へ導く手助けになるでしょう。
もちろん立会いを依頼するには報酬が必要です。
報酬の額に一定の相場はありますが、現在では完全に自由化されているので、
事務所によってかなりの開きがあります。
その内容は着手金・成功報酬・実費などに分けられます。
着手金や実費は交渉が失敗しても返還されません。
成功報酬は経済的利益の額に応じて増減します。
不動産の場合は家賃収入や売却価格を基準として計算されます。
半日で終わる話し合いのようなケースでは、いちいち細かい計算を行なわず、
日当として請求されることもあります。
とりあえず事務所に問い合わせてみて、報酬が高すぎると思ったら、
別の事務所に相談するという方法もあります。