建築条件付土地を購入した人は、
一定期間内に指定された建設業者と建物請負契約を結び、
その業者に家を建ててもらわなければなりません。
建売住宅と違うメリットは、
基本的に自由な設計が可能である点です。
ただし場合によっては建設業者と合意ができず、
請負契約が結ばれないこともあります。
その際には原則として、
不動産の売買契約は白紙撤回され、
手付金を支払っていた場合は全額返済されます。
また違約金や損害賠償金、
設計費なども払わなくてよいのが普通です。
しかし現実の不動産取引では、
こうした場合でも違約金や設計費を請求されるケースが見られます。
そもそも建築条件付土地の取引は、
いわゆる抱き合わせ販売に近いことから、
独占禁止法に抵触する恐れがあるとして問題視されています。
そのため不動産業界では、
従来3つの自主ルールを設けて、
独占禁止法違反ではないと主張してきました。
そのひとつは当該不動産の売買を停止条件付にすることでした。
停止条件付の契約とは、
この場合で言えば建設業者との合意に至らなかったとき、
土地の売買も初めからなかったことにするという意味です。
取り消したわけではなく初めからなかったので、
手数料なども一切かからないという理屈になります。
ところが2003年に不動産業界はルールを改変し、
停止条件ではなく解除条件でも構わないとしたため、
解除したことに伴う違約金が発生する余地が生まれました。
またこのときの変更により、
建築請負業者に制限がなくなったため、
リベートが生じて消費者の負担が増える可能性も指摘されています。
現状ではこのような取引が行なわれても、
違法として争うことは難しいと考えられるので、
契約書が一方的に不利な内容になっていないか、
よく読んで確かめる必要があります。
もちろん手付金を全額返還する等と書面に記されていれば、
違約金を請求することはできないはずなので、
トラブルになったときは弁護士に相談することをお勧めします。